20年ごとの遷宮…生まれ変わり、若返りの約束が千年にわたり守られて来た神明神社と八王子社の物語

由緒

神明神社 由緒

御神殿は神明造  女宮

新年の三日、八王子社の神が神明神社にお渡りになります。この神事は決して見てはならないものとして島民は家にこもり、雨戸を閉め、すべての灯りを落とし声をひそめてお渡りさまの終了を待ちます。無事八王子社の神が神明神社にお渡りを終えると全島に太鼓が響き、灯りがともった家から人々が続々と両神が鎮座まします神明神社への初詣に出かけます。古来より正月三日が島の初詣となります。明けて四日、大名行列と呼ばれる華やかなお祭りの中、八王子社の神はお帰りになります。

近年、女宮の神明神社と男宮の八王子社が末永い縁を善しとする神社と尊ばれ、若い善男善女の参拝が多く見られます。

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御祭神
大土御祖神(おおつちみやのかみ)大地の守護神
大年神(おおとしかみ)穀物神
宇迎之御魂神(うがのみたまのかみ)食物神

神明神社の建つこの地は、斎王倭姫命が尾張中島宮から海路渥美宮に
渡航の途中、篠島にお立ち寄りになり、この地を御神界と定められ荒御魂をお祀りしました。

宝亀二年(771)には、伊勢神宮より土之宮三座を勧請し伊勢土之宮と称されました。
伊勢神宮に参拝する者は篠島に渡り伊勢土之宮に参拝して「宮巡り」の成就とし
悪天候などの事情により篠島に渡れない場合は伊勢市の二見浦に設けられている遥拝所より
篠島に向かい土之宮を拝したと伝えられています。
後に神明宮と改称され、さらに明治中期に神明社、昭和20年代に神明神社となり
神社本庁に登録され現在に至っています。

邪悪をはらい災厄をのぞく福寿の神と尊ばれ交通安全、海上安全の神として
島民はもちろんのこと島外の善男善女にも厚く信仰されています。

伊勢神宮の20年ごとの御遷宮時に伊勢神宮の一社として篠島の神明神社も遷宮を
繰り返して来ました。

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八王子社 由緒

御神殿は神明造  男宮

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御祭神
天之忍穂耳命(あめのおしほみみみこと)
天之苦卑能命(はめのほひのみこと)
天津日子根命(あまつひこねのみこと)
活日子根命(いくつひこねのみこと)
熊野久須毘命(くまのくすびのみこと)
多紀理毘売命(たぎりびめのみこと)
市寸嶋比売命(いちきしまひめのみこと)
多岐都比売命(たきつひめのみこと)

正応元年(1288年)伊勢国度会郡(いせのくに わたらいぐん)の箕輪神社より勧請された神社です。
20年ごとの伊勢神宮、御遷宮のおりに神明神社の御古材で社殿が造営されてきました。
それ以前は島民によって伊勢の猪名部(いなべ)の神に類する船の神の祖神が祀られていました。

航海、操業の安全を願う心から、古来より造船、海上守護の神として祀られています。

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